2月の最初の週に「京都アートドキュメンタリーウィーク」という上映会を京都シネマで1週間、連夜ゲストを招いて行なった。
上映後のトークで画面左上で右手を上げて話をしているのが森村泰昌氏 |
私は毎晩参上して、しかも毎晩打上げというトライアスロンの様な日々でかなり疲れたが、お客様からは、とても楽しめたという感想を数多くいただいた。また参加して下さった作家は皆、映画館の可能性のようなものを自作を上映して感じてもらえたように思う。
毎晩、なるべくゲストの趣に合わせていろいろとネタを考えたのだが、中でも森村さんが自身の展覧会のアーカイブ映像を見ながら語るというのが好評だった。アンケート調査によると私の作った「MORIMURA Chapter1」よりも人気があった模様である。「MORIMURA Chapter1」は、イントロダクションのようなものとして、美術家・森村の活動の多様性を言語を廃して見せるのが1つのコンセプトなのだが、これが森村初心者の方には、意味不明な場面の連続に見えたらしい。逆に、長年の森村ファンの中には、私の想像以上に深く読みとって見てくださる方もいて、楽しんていただけたようだった。
このライブトークは、2つの展覧会の記録(美術館の入り口から最後まで)を見ながら、私がいろいろと質問をして「兼高かおる世界の旅」風に話してもらうことを考えていたが、森村さんは「そんなことしてたら、映像がどんどん先に進んでしまうし・・・」と無声映画の弁士のごとく、展覧会を回顧しながら一人でビッシリと語っていただいた。
「活弁は難しいですよ・・」とか「岸本くんにだまされた」とか言いながら、また来月、同じようなことを兵庫県美の上映会でもやっていただく。今度は、また別の美術館で開催された展覧会に映像でご案内することになる。両方とも見られなかった・・・という方もご安心いただきたい。実はこのアーカイブこそ「MORIMURA Chapter 2」なのだ。DVDの副音声で森村泰昌の声を選んでいただければ、今回収録した声がライブ感そのままにお聞きいただける。「これこそ美術アーカイブ」というものになればと思う。
MORIMURA Chapter 2 : This is the Archive 森村泰昌 Yasumasa Morimura from Ufer! Art Documentary on Vimeo.
予告編はDVDの予告編です。(このオンデマンドにはメニューやスライドショーはありません)
1996年から2005年に撮りためた展覧会の記録を会場ごとにまとめた動画アーカイブです。森村泰昌の作品郡を展覧会を通して体系的に時間軸と共に再確認できる内容です。展覧会をご覧にならなかった方は勿論、ご覧になった方にもきっと再発見をしていただけます。森村泰昌による語りは、次の4つの展覧会です。
1.横浜美術館 個展
2.東京都現代美術館 個展
3.原美術館 個展
4.兵庫県立美術館 グループ展
東京都現代美術館の語りは、京都シネマで上映会の時にライブで収録したものです。
The trailer is for DVD. In this on demand has not any menus and slide show.
Yasumasa Morimura (born in Osaka in 1951) is known for his self-portrait series in which the artist himself replaces those depicted in various masterpieces of art history. After the release of the introduction: MORIMURA: Chapter 1: A kind of introduction, the first part of a trilogy that chronicles his multiple activities, the second part is the “Archive”. This archive is composed of his important exhibitions the last decade which of four includes his commentaries recorded on the occasion of the screenings in public. Even the slide show of his works presented in those exhibitions. This film features his exhibition “Morimura Yasumasa: Self-Portrait as Art History” hold at the Museum of Contemporary Art, Tokyo in 1998 and his narration and commentary recorded to the side of the movie screen at the Kyoto Cinema in 2006.