動画編集を本格的に始めてようと考えている方にFinalCutProを奨める7つの理由

 動画編集を本格的にやりたいけど、ソフトは何を使えば良いか迷われていたり、できれば現在より簡単に早く思い通りの編集ができればという方もおられると思います。またソフトを買っても元を取れるかなぁとか、趣味でやる方やYouTubeで副業を目指している方も少なくないと思います。今日はそんなあなたにAppleのFinalCutProがなぜお奨めできるかという話です。

1. 文字通りプロが使い機能的に十分

 私は映像制作を仕事としてやっていますが、現在のFinalCutProで機能的に不足していると感じる事はほとんどありません。込み入った合成などはMotionの方が守備範囲が広いですが、標準的なイフェクトやカラーコレクションなども基本的にはFinalCutProに標準的な内容が含まれています。AppleのマシンにはiMovieが付録として付いていますが、iMovieではやりたいけどできない事がFCPでは出来ると考えてもらって良いと思います。機能的にはPremiere、Media Composer、DaVinci Resolve、EDIUS等と比較するとそれぞれ特徴もありますが、編集をする機能はほとんど横一線だと良いと思います。Macを使う事が前提になりますが、ではなぜFCPなのか。

最初のひと月はフルバージョンを無料で試用出来る

2. 買取で¥36,800円はかなり安い。

 私がFCPXを購入した10.2の頃から価格はあまり変わってないと思います。10.3、10.4とアップデイト(途中細かく)がありましたが、これまでバージョンアップは全て無料でした。もう約4年使っていますので年間のコストとして考えると1万円以下で使っていることになります。クラウドのPremiereでは、例えば2年で2480円x24ヶ月=59520円、4年だと10万以上の出費になります。他のソフトとの組み合わせでも販売されているので、これよりは安くなると思いますが、月々2480円が如何に高価であるかということです。以前私の使っていたCS時代もメジャーアップデイトのごとに15000円程度を毎年1ライセンスごとに払っていました。OSのバージョンが上がるとどうしても最適化されているバージョンが必要になります。なので現在のクラウドが月払いの金額で示されているので一見安く感じるかも知れませんが、実際には大したアップデイトもないのに払い続けるという疑問を感じる販売方法です。しかもクラウドの場合は他のソフトに乗りかえて契約を終わると、自分で作ったものも将来的に開く機会があった場合に、その為だけに短期間でもまた購入する必要があります。仮に以前のようにAdobeが儲からないので「辞めます!」となった時に、例えその時点のマシンやOSを持っていても、それまで作った編集資産を使えなくなる事が予想されます。なので業務の場合はソフトウエアを買い取る事には長い目で見るとリスク回避にもなると感じています。(Appleも前日まで売っていたShakeの販売を突如辞めた実績があるので、ソフトウエア業界というのはそういう事をするという事を知ってた方が良いと思います。)
 また他のAvid Media Composer、DaVinci Resolveには無料版というものがあり自由に使えますが、実際に本格的に使おうとすると、機能や動作速度で有料版が必要になると思います。只で慣れてもらって・・という商法です。無料だったら慣れるまでこれで行こうという考え方もありますが、慣れた頃には他に乗りかえるのが面倒ですし、既に編集資産ができてしまっているのでハードルは高くなると思います。
 FCPXは最初のひと月はフルバージョンのものが無料で使えます。最初にいろいろ使ってみて行ける!と思えば、その時点で購入できます。この点ではAdobeも同様ですが、実は次のポイントが大きく異なります。

3. 自分のMac(IDが同じ)であれば何台でもインストール出来る

 これ結構大きな事です。Premiereなどは1つのシリアルで2台のマシンまでしかアクティブにできません。仕事で使うとレンダリング中に別のマシンで作業する事の方が多いので、自分でコントロールしているマシンに何台でもインストールして使えるというのは大きな戦力になります。もしマシンが壊れたような場合にもライセンス認証がどうのとか、面倒なことが一切ありません。PhotoShopやIllustratorを使われている人なら経験があると思いますが、Adobeの認証はほんとに煩わしいです。長年の正規ユーザーに手間をかけさせて、違法ソフトは野放し、新規ユーザーを割り引くというその会社の体質も好きにはなれません。その点アップルのソフトウェアはさらに豪華な次の特典がもれなく付いています。

4. ファミリー共有で家族であれば何人でも何台でも使える

 本当です。家族でファミリー共有をしている人は、こちらも何台でもインストールできます。私の場合、家族で全員使っています。これはすごいコスパです。うちの子はまだ小さいから・・と思われているそこのお父さん。私の娘は高校の時に「部活で動画作るし編集教えて」と来たので、FCPで1時間くらい手ほどきしたら、翌日から普通に編集していました。おそらく小学生のパソコンスキルがあれば基本時な事は使えます。そのくらい簡単なソフトです。部活で始めた動画制作が面白かったのか、知らない間に自分のチャンネルを作ってYouTubeデビューしていました。最初に作ったものが数万回再生されて「お父さんみたいに再生回数少ないのに続けてて尊敬するわ」というのが今の若者です。なのでFCPのファミリー共有は最強です。

5. 動作が安定している

 これはMacを使っている方であれば実感されていると思いますが、ハードウエアとOSとソフトが同じメーカーで作られているから、誤動作が少なく安定しています。不具合の特定がしやすいというのは、もしもの時に復旧しやすいという事です。これはWindowsでは現在のところ実現出来ません。
 Mac環境でPremiereで編集していたころ「原因不明のエラー」などというアラートをよく見ましたが、どこが悪いのかさっぱり判らず、最初から作り直した事もあります。FCPは3時間のタイムラインで10Tを越える素材を繋いでも安定しています。

6. 他社に無いマグネティックタイムラインで効率が上がる

 私は最初にFCPXを見た時にこのマグネティックタイムラインを敬遠していました。それまでは基本的にカットすればその隙間は空いたままでしたが、そこが詰まるという「接続」という新しい概念の編集は、最初の頃少し戸惑いましたが、慣れれば元には戻れない画期的な機能です。現在でも昔に作ったPremiereのプロジェクトを再編集する事がありますが、同じことをするのに2,3回動作が増えるのでとてもクラッシックなものに感じます。ものすごく人間的な感じではあるのですが・・。逆に言うと素早く編集できるという利点は大きいと思います。なのでYouTuberの多くが使っているという事も理解できます。簡単に素早くできることで雑な編集もできますが、少ない動作で質の高い編集も可能です。編集時にマウスのクリックが少ないほうが当然疲れません。このBlogでも動画編集に使うマウスの記事は一番読まれていますが、疲れないように作業したいのは誰もが思うことです。

7. 字幕に強い オープン&クローズドキャプションに対応

 字幕なんて・・と思われるかも知れませんが、人気YouTubeはほとんどがテロップをインサートしています。字幕には出したり消したりできるクローズドキャプションと映像に埋め込むオープンキャプション(テロップ)がありますが、10.4以降どちらにも対応していて、両方作りたい時にも割と簡単にコンバートできます。この機能は動画にもまとめていますので興味のある方はご覧ください。

https://www.uferblog.com/2019/02/24/open-and-closed-caption-by-finaldutpro/

まとめ

 ここまで読んで頂けましたらFCPの良さを少しは判ってもらえたと思いますので、次回はFCPの使い方について「使い出すと知りたくなる部分」を中心に、押さえておきたいFCPの編集のポイントを紹介したいと思います。

私の映像編集歴

詳しくはこちらの本に書いています。
http://amzn.to/2qZFSTH
https://a.r10.to/hfIZ9E

 私が映像の編集を始めたのはテープ時代で、おそらく1989年くらいでした。8mmビデオで始めました。その後Hi8からBetacamSPを使うようになって、DV、DVCPROになった頃はまだテープからテープの編集で、Macでの編集に移行したのは2000年になるちょっと前くらいだったと思います。DVEditやPremiereを使ってましたが、FinalCutProがVer.2になって本格的に使い出しました。2003年頃、突如PremiereがMacプラットフォームを去ってしまって、それまでPremiereでやっていたものが後に開けなくなるという事も経験しながらFinalCutProを7まで使っていました。そしてXになる時に、その動作のへんてこりんな動きと今まで出来た事が搭載されていなかった事などからXへの移行を踏み切れず(当時結構そういう人が多かった)、Blu-Rayの構築にEncoreを使いたい為にPremiereをCS3からCS6まで平行して買っていたので、とりあえずPremiereCS6で映像編集をすることにしました。Adobeは後にCS6で買取式のソフトウェアとしては終了してクラウドになってしまったため、1人で2ライセンス使うヘビーユーザーとしてはかなり割高なものとなり、以後クラウドには手を出さずに再びFinalCutProが10.2になって安定したことを知って、2016年にFCPXに移行することにしました。これには映像制作で信頼しているピピロティー・リストと編集の話になった時「私は結構好きやで」という言葉も後押しになりました。それ以来FCPXユーザーで、仕事で使っていても良かったと思えるので、今回はその理由をまとめてみました。

What\'s going on!