動画用 軽量三脚はこれ!

 デジタル一眼で動画を撮る人から、三脚は何を使えば良いかとよく聞かれるのですが、それは被写体にによって変わりますので、これ!というのがなかなかありません。一番使う頻度が高くなるのは、簡単に出してさっと撮れる三脚だと思います。それで私自身もさんざんいろいろ使ってきたのですが、軽量の三脚として行き着いたのが、ベルボンのウルトラシリーズの脚に、自由雲台を付けて、マンフロットのビデオヘッド、そしてアルカスイス互換リリースプレートという組み合わせです。

 上の写真の少しゴールドっぼいVelbonウルトラマキシーというのを、旅行や山などにビデオヘッド(マンフロット701HDV)を付けて持ち歩いてましたが、伸ばしても140cm程度の高さですし、パイプ径も細いので、その弱点を腕でカバーしないとならないことも多くて、風が強いとどうしようもありません。マンフロットのカーボンにMVH500という組み合わせも持っているのですが、GH5にはカウンターバランスが合わないし、歩いて一日中撮りまわる時には、ジンバルと併用では荷物になるし、ウルトラマキシーよりはもう少し高さのあるのが必要かなと思って、その中間的なものを組み合わせました。ウルトラ455という脚にVelbon QHD-51という雲台を付けたセットです。これに必要に応じて701HDVを使ったり、ジンユーのジンバルを使ったりします。

このセットで重量は2035g

上記の組み合わせを現行商品で実現すると・・・
Velbon(ベルボン) 小型携帯用アルミ5段三脚 ULTRA 455 脚のみ
https://a.r10.to/hfiBhB
自由雲台 QHD-51
健在はQHD-51跪拝盤のためアルカスイス互換プレートが付いたVelbon 自由雲台 QHD-S6AS ←ビデオヘッドが乗るかどうか注意
https://amzn.to/2x9RDJl
またはビデオ雲台を乗せる事を考えるとQHD-43 ←これが良さそう
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またはNEEWERレベリングベース
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ビデオ雲台を乗せるとすると
Manfrotto MVH500AH https://amzn.to/2ZNVAPX
MVH500AHのトルクが強い場合は701HDV程度が良いが廃盤で他社よりコピーが出回っている
Neewerのが最安 https://amzn.to/2JaAfJS ←動きは使ったことないので不明

たためる三脚ケース FC-S 縮長450mmまで対応 493385 https://amzn.to/2FGuEKv

  QHD-51も701HDVも廃番になっているのですが名機だと思います。QHD-51は締め付けるレバーが人間工学的にとても良くできていて、しっかりと止るし、頻繁に操作していても指が痛くなりません。(最近の見た目優先の製品はどうも良くない)701HDVは、デジイチが一般的になる前に姿を消したマンフロットのヘッドですが、GH5などのミラーレスに標準的なズームレンズを付けるとカウンターバランスがぴったりです。他にもいろいろ試しましたが丁度良いものがありません。多分、現在でも人気がある事を知ったサードパティーのメーカーが金型まで同じではないかと思うようなコピーを数千円で販売しています。それらの評価も悪くないです。中には内部のグリスを交換したら動きが良くなった事を報告している人もいます。
 YouTuberの人でも屋外撮りの多い人は一人でさっと撮れることが重要でよくゴリラポッドを使っている人がいますが、実際ゴリラポッドでは適当な固定場所がなかったりしますので、軽量三脚の方が使う頻度は高くなると思います。勿論、片手で自撮りしながら歩くのは険しいですが、短時間であれば持てなくはないです。

 上の写真でハンドルが短いのは登山用に少しでも軽くするために切りました。自己溶着のテープを巻いています。だいたい三脚のパン棒はそんなに長くなくても操作出来ますし、先のほうを持って操作している人をあまり見た事がありません。実際じわっと動き始めるには先のほうを動かすと伝える力を弱くしないとならないので力の入れ方が難しくなると思います。パンもチルトもゆっくり動き始めてゆっくり止るという滑らかな動きが基本なんですが、それがしっかりできるヘッドというのはなかなかありません。701HDVもたまたまバランスが合うだけで、緻密な動きができるかというと完全ではないです。最後はVintenになってしまいますが、GH5をBlueに乗せてバランス取るために下駄を履かせてということになると、そこまでして撮る被写体かどうかや、機動性がなくなって撮影の妨げになってしまうことも考えられます。なのでホントに被写体次第です。

 また最近ではスライダーやジンバルが、三脚では出来ない動きの映像を作れるという事で、利用する機会が増えているかも知れませんが、動画だからと言って常に画が動き回っているのは本当に疲れます。そういう動的な映像美を追求するのもそれはそれで良いのかも知れませんが、本来そこに写されている被写体が何か、その美しさや面白さは何かという主体を押さえられているかということが重要だと思います。なので被写体が動いていればなおさらカメラを固定して撮るというのが基本です。編集でずらしたりズームを使ったりしてイジイジ動かす(素人受けするので僕もたまに使いますが)のは、画力が無い場合に使います。基本的には最後の手段くらいに考えておいた方が良くて。例えば美しいものを見た瞬間に目が釘付けになるという事を考えれば理解いただけるかも知れません。それ以上動く必要はないんですね。


 「ビデオグラファーの制作術」の中でも、動画の中でも語ってますが、三脚は長寿命機材です。しっかりしたものを購入すれば10年、20年は使えます。僕のジッツォーのカーボンは95年くらいに買ったのでもう25年くらいになりますが、Blueを乗せてまだ現役ですし、お椀を変えればVision100も乗ります。ショルダータイプのカメラ用なので、もうあまり使う事はないかなと思ってましたが、劇場でFS5にリグを付けて操作する時にVマウントのバッテリーやモニターを付けると結構重くなって、Vision100でも丁度良いのでまだまだ現役です。放送局のクルーと横に並んで撮る時もほとんどVintenです。マンフロットもいろいろ使いましたが、コストパフォーマンスは悪くないです。いろいろな製品を積極的に作っているメーカーで、開発するのは歓迎ですが短命に終わるものも少なくないので見極める必要があります。と、話がマニアックになって来たので、このあたりで。

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