御前崎 撮影とボードセイリング

 もう11月。夏から秋を感じている間もなく冬の気配のこの頃。
 今年は来月から束芋展が横浜美術館であって、来年春には森村展の巡回が始まる。忙しいと予測はしていたものの、夏以降やはり休日らしい休日はなくなってしまった。おまけに原美術館で12月の下旬オープンというヤン・フードンのお手伝いもすることになって、皿回しのような日々である。
御前崎・浜岡海岸で撮影中の私 9月
 写真は御前崎ロケでの一コマ。もう既にはるか遠い日に感じるが、その後このロケで撮った素材を仮編集して10月に草月ホールで公開制作。舞台で慣れないトークやダメだしをしながら公開で素材を撮り終え、現在編集も峠を越えた。
 10月後半はオープンしたイズ・フォト・ミュージアムの開館記念の記録の制作。こんなところに文章を書いている暇はないだろ、と言われそうだが、今月末には設営のロードに出かけるので、ここで一息、御前崎を回想したい。
こちらも御前崎での私 冬
 今回、御前崎で撮影したのは森村泰昌の新作で、硫黄島に米軍が国旗を立てた有名な写真をモチーフにしている。この制作が決った初期の段階では5分程度の短い作品でこれまで作ってきた映像作品とそれほど規模が変わるものではなかったのだが、いろいろと氏の妄想は膨らみ現在20分を超えている。ちょっとした短編映画的なものであって、美術館の展示室で見せる映像作品という枠からも一歩抜け出したと思える。その作品を御前崎で撮ることになったのは、私がかつてボードセイリング(ウインド・サーフィン)というスポーツをほとんど職業のようにやっていて、週末は御前崎に通っていたために、作品に必要なシーンを撮れるという公算があったためだ。写真はその当時の私。同じ海で異なった事をメイクする。
ただ20年ぶりに立った御前崎の浜は昔より狭くなっていて、期待していた浜岡砂丘も草が生えて砂自体が少なくなっていた。夕食で通ったお店のご主人の話でも、年々砂浜は狭くなっているそうだ。様々な開発の波がこんなところにも影響している。でもあの遠州灘のちょっと日本の海ではないような開けた感じが私は好きで、その雰囲気はまだまだ健在であった。低気圧の動きをにらみながら、美術作品を作るという感覚は、登山、ボードセイリングのレースでも感じられるものがあったし、私としてはボードセイリングで得た事を初めて現代美術に応用できたことが少し嬉しかった。この作品は来年3月の東京都写真美術館で初公開される。
 まずは皆様、12月11日、横浜美術館の束芋展へ。
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2018.6追記
この御前崎を中心に撮影した森村氏の作品「海の幸」を中心とするレクイエム・シリーズのメイキングを含めたドキュメンタリーをMORIMURA Chapter3として2011年に発表した。





MORIMURA Chapter3 : Time Machine 森村泰昌 from Ufer! Art Documentary
MORIMURA Chapter3 : Time Machine
日本語/English Subtitles

Known for his appropriation art series, such as the actress series and historical art series, Yasumasa Morimura (born in 1951) has been working on a new project since 2007. “Requiem for the 20th Century” borrows images from the 20th century’s landmark documentary photos in order to explore its central ideas and events.
In addition to the new self-portrait photo works, he also incorporates the video work of Yukio Mishima, Chaplin, Lenin, Dali, Andy Warhol and Iwo Jima, with its US flag, all hallmarks of the century.
This documentary examines Morimura’s artistic approach as well as its purpose, by documenting the process of making the work and in interviews with the artist.

Attention
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https://www.ufer.co.jp/education/index.html

レクイエム・シリーズと名付けた作品群を2010年から2011年にかけて国内4ヶ所の美術館で発表した森村泰昌。20世紀を代表する報道写真をモチーフに森村自身がその当事者になり時間をさかのぼる。三島由紀夫に扮して美術に対する演説をぶちまける映像作品をはじめ、レーニンの演説、チャップリンの独裁者をモチーフにした映像インスタレーション。
また20世紀を代表するアーティストであるウォーホール、ダリ、ピカソ、ポロックやボイスを始め数多くの巨匠になるシリーズでも写真と映像作品を組み合わせて発表した。
そして短編映画とも言える硫黄島に米軍が旗を立てた瞬間を捉えた写真をテーマにした「海の幸」。
このドキュメンタリーでは2006年から6年にわたり森村泰昌の活動を追いかけ、メイキングや展示風景、インタビューによって彼の制作に対する情熱と視点を提示する。

出演・森村泰昌 監督・岸本康
本編/62min.★ご注意ください!!★
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