スキースクール上級班体験記

 昔とった杵柄とは恐ろしい。(今回は現代美術ネタは一切なし。八方尾根スキースクール上級班体験記)
 この正月、30年ぶりにスキースクールに入った。その昔、カービンスキー以前の技術では前傾して谷エッジの拇指球に荷重ということをたたき込まれた。上半身もしっかり谷側を向くというものだ。でも今では全然違っていたのだ。時代はカービンスキーが浸透してゲレンデでは先の尖ったスマートな板はあまり見かけなくなり、カービンスキーに対する技術も熟成してきたと思われる。私は数年前にカービンスキーを履いてから完全な自己流でやって来たのだが滑りに頭打ちを感じて、ここらで飛躍(体力的には?)をしたく名門、八方尾根スキースクールの門を叩いた。
 前回白馬に来た時、黒菱でスクールの上級と思われるグループがいて、その先生の滑りを見て一度あの後ろを滑ってみたいと密かに考えていたのだ。とにかくあの高速な円弧の連続に体育会の血が騒いでしまったのだった。
 私の入ったのは兎平校。他にも本拠地の名木山と咲花があるが、兎平の方がより上部のゲレンデを使うことが多いのと、集合が兎平なので前後にも適当に滑るには良い。常設のスクールは10時からで9時〜9時50分が受付。自己申告で上級を選んで代金を払う。1日(午前、午後)で4000円は昔とあまり変っていないくらい安いんじゃないか。しかもカードで支払もできる。10時の集合でレストハウス前に集合して班分けがあった。クラウンやテクニカル(1級より上)を持っている人が4人いて、そのグループが最上位でその次が1級を持っている人ということだったが、その層が誰もいなくて私はそのクラウンの人たちと一緒の班になった。私は中3の春に1級をとったが、既に大昔の領域なので黙っていた。教師はMJさん。大晦日のカウントダウンでは太鼓を叩いていたらしい。早速パノラマに移動してすぐにレッスンが始った。私ともう1人のおっちゃん以外は先生も含めて全員ヘルメット着用で気合い十分である。時代は変わったのだ。私の学生時代はダウンヒル以外はノーヘルでOKだったし、しかもスキー用というとカレラの白に朱文字のヘルメットしか売ってなかったと記憶する。午前中は大回りの練習。とりあえずレベルチェックのために滑らされる。当然みんなうまいし今流の滑りである。今回の生徒5名はおっちゃんばっかり(お兄さんもいたかも知れないがみんなヘルメットにゴーグル、フェイスガードなので年齢不詳)で気楽な感じだったが、自分の滑る順番になる前は、少しドキドキする久々の体験。最初のコメントで早速、乗る位置か前過ぎる事、スキーの間隔が狭過ぎる(くっつけ過ぎなので、肩幅くらいに開く)こと、抜重しないことなどを指摘される。「かかと」に乗るという事を言われやってみると確かにスキーコントロールしやすい。私のこの日使っていた板は170cmのGS用のサイドカーブの少ないものだった(30年ぶりの小賀坂)ので、しっかりと乗らないと奇麗な弧にならない。他の人もターンの前半からのエッジングがいまいちだったので、基本動作の確認に緩斜面でエッジングのメリハリのような動作を練習する。谷側になるスキーにターン前半からぐいっと乗って行く感覚をつかむ練習。身体の傾きや重心の位置をセンターにもって行くことなどを確認する。ある程度感覚を得たところで、スピードを出して大回りをする。右足外足でエッジングが遅れるね・・とMJ先生の鋭い指摘。私は3年前に足首を登山で骨折してから右足のブーツの上2つのバックルを弱めにしていたので、しっかりとエッジングはできず、ごまかして滑っていたのだ。多分客観的に見ると円弧が左右で違っていたと思う。ただ注意してしっかりとエッジを切るようにしたらそれほど負担にならずに回せることが分った。ある程度調子の出てきたところで、パノラマのポールバーンのさらに右側のあまり一般の人が滑っていない所へ移動。そこで大回りの練習。前に乗り過ぎず、ターン前半のエッジングを心がけるが、本来カービンターンでずらさずに繋いで行くとどんどんスピードが出るので、運動不足で脚体力のない私は若干内に倒れて早めの切替をしてコントロールはしているものの、やっぱりヘルメットがいるかなと思った。午前中は大回りの練習が続いたが、たまにトレン(みんなが順に繋がって滑る)で滑る事があってたまたま私が一番下側にいた事が多く、念願の後について滑ることが出来た。(先生の後に付きたかった人、すみませんでした。)スキーの上達法としてこの後に付いて滑って真似るというのは、コース取りも含めてなかなか良い。あの八方のインストラクター独特のカービンスタイルの後ろをついて飛ばすのはなかなか楽しめた。これは久々の感覚。
 午後は1時半に集合して小回りの練習。170cmのGSの板はほかに持っているサイドカーブのきつい155cmの板に比べて明らかに小回りが難しい。でもまあこの板でくるくる回れたらサイドカーブのきつい板では何もしなくても回ってくれそうなので、習いたてのかかとへの荷重と上体をかぶせない滑りでやってみたところ、昨日まで回らなかった板がウソのように円弧を描いてくれた。確かにかかとに乗ると切替が楽なのだが昔はこんなのは後傾になっていると言われたし、スピードが出たら遅れるんじゃないかという不安が頭を過り、どうしても前へ前へと乗ってしまうことを指摘された。(これは昔は褒められた滑りなんだけどね。)MJ先生に言わすと私の滑りはヨーロピアンスタイルらしい。これは褒め言葉ではなさそうだ。
 その後、総合滑降的な大小を混ぜた滑りなどを練習して、最後は少しだけコブの練習。ライン1本しか無いね・・と言われながら滑った所はやっぱ私の脚力とGSの板ではきつかった。その前の日に黒菱のペアリフトが動いたので、リフト寄りのコブに短い板でチャレンジしたが、4回くらい休憩しないと降りられない体力にがっくし。おまけに最後は飛ばされて何年かぶりの転倒。学生時代は止らずに下まで滑っていたんだけどなぁ。(くどいが30年前の話である。黒菱のまん中に、こんなに木が生えてなかった時代の話。)コブの斜面の技術はカービン云々というよりも昔のウェーデルンの要素が高いような気がする。特に起伏の激しいコブの技術は別物という感じがするし、スキーもあまり間隔が開いていては溝を通るラインの高さが違ってうまくコントロール出来ない。また練習してみたいが、太ももの疲れている時には強いてやりたいとは思わないし・・。やっぱり不整地でもコブを無視して飛ばせるくらいのところが運動不足の私には理想的。
 最後はトレンで下まで滑って、ゴンドラ内で講評と質疑応答をしてスクールは解散となった。一緒になった4人の人はみんなうまかったし、たった4時間のレッスンだったが30年ぶりの私にとっては大きな収穫があった。MJ先生もその日は楽しかったらしいが、私は収穫だらけで嬉しかった。
82年の岩岳学生スキー大会
 今年は日本にスキーが伝わって100年の記念すべき年らしいがスキー人口は減り続けているらしい。八方でも廃止してしまったリフトがあって、正月でさえ、リフトを選べば待ちは無しという昔から考えると信じられない状況が続く。若者よこんなに素晴らしいスポーツをしないであなたは一生を終わらすのか。
 私はあと15年は続けて行けるくらいの体力を維持したいと改めて思った2011年正月だった。昔とった杵柄の技術は、時代と共に遺産的なものになってしまったが新たにチャレンジすべき事を見つけてしまった今、早速スキージャーナルを買ってみた。よくまあ永いこと発行し続けていてくれたものだと思うが、こちらもDVD付きで980円と昔に比べて安い雑誌になったような気がする。レルヒ少佐がオーストリアからスキーを伝えて100年の記事に加えて歴代のスキージャーナル誌の表紙が掲載されていてとても懐かしく読み始めた。
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この記事には美術ネタはありませんが・・森村泰昌 Chapter 1をご紹介
ドキュメンタリーですが、言葉とBGMを使わずに作ったものです。作家本人の弾くピアノは出てきます。

MORIMURA Chapter1: A kind of Introduction 森村泰昌 Yasumasa Morimura from Ufer! Art Documentary on Vimeo.
Incorporating no dialogue the film is, in a sense, a pure video work.
言葉を廃して音と映像のみで構成された森村泰昌の記録映像。音楽は森村自らが演奏するピアノとキーボード。美術史、女優シリーズから近作のフリーダ、フェルメール、新作ゴヤのシリーズまで森村泰昌の活動を幅広く紹介。制作風景とともにパフォーマンスやサイン会、パーティなどのスナップも収録。
監督・岸本 康
2005年 37分
第24回モントリオール国際芸術映画祭参加作品
Vimeo on demandでの販売、レンタルは個人視聴(ホームユース)に限ります。図書館、学校授業、ビデオライブラリー等で公開されます場合はライブラリー版をご購入いただく必要があります。詳しくは下記ページをご覧下さい。
https://www.ufer.co.jp/education/index.html

Yasumasa Morimura (born 1951, Osaka) is an artist renowned for his self-portrait series; replacing his own physical body with those portrayed in masterpieces from eastern and western art canons. He is also known for his Hollywood idols series.
In recent years, Morimura has been working in various genres and media, pro-ducing video and performance works as well as appearing in feature movies and theater.
This documentary is the first part of a trilogy that covers all aspects of Morimura as artist. It introduces material ranging from his early actress series to his more recent works with Frida Kahlo, Goya and Vermeer. The film considers Morimura’s production process and documents his exhibitions, performances and video works, reflecting on the diversity of his work. The music is composed and performed by Morimura himself.
Incorporating no dialogue the film is, in a sense, a pure video work.
2005, 37min.
This video program for private use (Home use) only.
We have a library version and a collection version.
https://www.ufer.co.jp/order/english.html

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