「京都シネマ」のオープン

この年の10月に金沢21世紀美術館はオープンだったんですね。もう14年か。
白山に10月に登ったのも14年前か・・。今もその登山靴は底を張り替えて現役です。

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 12月4日は「京都シネマ」のオープン。朝日シネマがなくなってから京都にミニシアターの存続を望まれた方が大変多かった様だ。開館以前に設けられた賛助会員的意味合いのプレミアム会員の申込が1200人を超えていた事が物語る。見るチャンスの少ない作品を良質の空間へ出かけて見たいという大勢の願望の結晶だと思う。劇場の支配人、横地さんはこう語る。「売店の人と映画について語れる映画館を目指す。」何ともフレンドリーで、忘れかけていた古きよき時代の雰囲気を今に再現できる可能性を感じる。1937年に建設されたビルは、内装を現代的な美しい空間に置き換えたが、映画館としては古いオフィースビルのため天井高がなく、おまけに中空の防音対策を施しているため、お世辞にも素晴らしいとは言えないが、逆にその空間でのスクリーンとの距離感は他にはない独特な味付けを与えてくれる筈だ。早速出かけてみよう。


奈良・明星ヶ岳付近
原生林のコケにも樹氷が付いて、冬が始まる。

 さて、山歩きの方も熱がさめず、最近はビデオカメラを持って登るようになった。山の雑誌を見ていると美しい写真が数多く紹介されているが、やはりそれは静止している。本来山は動いているのだ。それが撮りたくなって、試練の日々となりだした。先週、奈良の八経ヶ岳へ行った。天気予報では降水確率0だったが、山の上は曇っており、おまけに風が強く、なんと樹氷が出来ていた。空気中の水分と風が作ったインスタレーションは、ほんとに限られた時間、限られた場所にしか出来ない作品だ。もうこれは自然が作る美術だとも言える。音も何となく静かで、どこか違う世界に引き込まれる様な危うさを求めて、また登ってしまうのだ。

白山から別山への途中で

 この辺でちょっ現代美術の話も書いておかないと、仕事をしていない様に思われるので触れておこう。少し古い話だが、10月に金沢21世紀美術館がオープンしたので、開館の翌々日に行った。ま、この時も金沢行くならやっぱり山と、ロケハンと称して先に白山に行ってしまった。美術館は、丁度連休明けにも関わらず、沢山の来館者があり少々驚いた。立地が観光地として有名な兼六園のすぐ隣ということもあり、ガラス張りの外壁の内側に見え隠れする現代美術作品を見る人たちを外から見ると、せっかくだからここも見ておこうとなるのは、コンセプトかどうか知らないが素晴らしい好循環に違いない。一般的には仕切りの高い現代美術という門戸をオープンにした建物の光熱費はいざ知らず、文化の創造と普及には一役買っている。さらに、私が一番感激したのは数多く配置されたボランティアスタッフの人たちが、熱心に担当の作品について語って下さった事。「実は私は素人なのですがね、この作品は・・・」とご年配の男性は、観光がてらに来られた人に親しみげに話をされていた。話は作品のことだけでなく、地元の事や、「この辺でお昼を食べるとしたらどのあたりへ行けばよいのでしょう・・・」と会話も弾む。これはちょっと都会では真似しにくいんじゃないだろか。
 美術館の離れには工房があって、現在はヤノベケンジの滞在制作が行われている。私の知った面々もせっせと働いていた。中でもヤノベケンジのドキュメンタリーを発表するすると言い続け、いつもその場を繕う様な映像を発表してしまっていた青木ケンジが本格的に作業に入っていた。12月19日にも同美術館のレクチャーホールで上映会があるらしい。今回も期待できるかどうかは分らないが、毎回少しずつは良くなって来ているので、見せながら作るというのが彼の戦法なのかも知れない。長い滞在になり資金(手持ちのお金)も底を突いてきているという連絡があったので、金沢近辺にお住まいで、彼の作品に興味のある方は是非食べ物の差し入れや、上映会の後で感想を述べながら、頑張って下さいなどとやさしく微笑む(女性に限る)などしていただければ、来年は完成された作品として日の目を見るかも知れない。何とアートドキュメンタリーの制作とは苦難なのか・・・。苦難を味わってなんぼのところが、登山と似ている。
 こんなところで、次回は新年のご挨拶と行きたい。皆さまそれまでお元気で。

OUR MUSEUM (あなたにとって美術館とは?) 京都市美術館/パリ市立近代美術館 from Ufer! Art Documentary
OUR MUSEUM
日本語/English Subtitles/French Subtitles/ 4:3

「美術館の空間が私に与えたものは何なのか。」
これは私が長い間考えて来た素朴な問いです。
私は子供の頃、よく美術館に連れられ出かけました。その思い出は、大きな展示空間や大きなドア、巨大な部屋です。子供の頃の美術館の記憶には美術作品はありません。この経験が「OUR MUSEUM」を作るきっかけになりました。
この作品では、京都市美術館、パリ市立近代美術館の創設からの歴史を振り返ると共に、ジュ・ド・ポム国立現代美術ギャラリー、パレ・ド・トーキョー、ポンピドゥーセンターのユニークな活動を多彩なインタビューと数々の展示空間で紹介します。
そしてそれらのインタビューは、私の疑問に答える形で、将来の美術館の方向性を示唆しています。
あなたにとって美術館とは何ですか?
★ご注意ください!!★
このVimeo on demandのムービーはホームユースです。ホームユースとは個人が家庭内で視聴することを目的としたものです。ホームユースは著作権処理済みのものではありませんので、図書館や美術館、学校教育機関などの公共施設では使用できません。ホームユースをライブラリー版としてご使用になりますと権利者の許諾のないものを使用していることになりますので、ご注意ください。詳しくは、弊社ホームページをご覧くかお問い合わせください。
https://www.ufer.co.jp/education/index.html

What has the museum space offered me?
This is the simple question that I have been pondering. When I was a child I went to the art museum sometimes. All I remember is the exhibition spaces, the large doors and the big rooms. I don’t remember the art works. Perhaps, the making of “OUR MUSEUM” was influenced by these early impressions.
“OUR MUSEUM” is a study of museums today with a look back on the history of the Kyoto Municipal Museum of Art and the Musee d’Art Moderne de la Ville de Paris. Also included is a presentation on the unique activities at the Gallerie Nationale du Jeu de Paume, the Palais de Tokyo, and the Centre Georges Pompidou. There are several interviews with various directors, curators and others working at these institutions as well as exhibition space footage. One of the key questions explored in the interviews is the future direction of art museums.
What is a museum for you ?

Attention
This video program for private use (Home use) only.
We have a library version and a collection version.
https://www.ufer.co.jp/order/english.html

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